どのぐらい痩せればいいの?~体重を3%を減らすだけでOK!~

監修・執筆
監修:医師 吉野 初音(アムス丸の内パレスビルクリニック勤務医)
執筆:保健師 桐原 沙也佳(アムス丸の内パレスビルクリニック健康増進科)
今のあなたの状態をチェック!
保健指導をしていると、「どのくらいやせればいいのか?」と質問をいただくこともありますし、「今更痩せるなんて無理!」という方もいらっしゃいます。
標準体重まで落とすとなると気が遠くなりそうですが、少しの減量でも生活習慣病対策には効果があります。
今回は減量の目安についてお伝えします。
今の自分が太っているのか?痩せているのか?それとも標準なのか?を調べる指標として、BMIがあります。
BMIは体重と身長から肥満や痩せを計算することができ、肥満度が分かります。
まずは、BMIを計算してみましょう。
BMIの求め方

- 【例】体重55㎏、身長160㎝の人の場合、55÷1.6÷1.6=21.4
肥満度分類
| BMI | 判定 |
|---|---|
| 18.5未満 | 低体重 |
| 18.5以上25.0未満 | 普通体重 |
| 25.0以上30.0未満 | 肥満(1度) |
| 30.0以上35.0未満 | 肥満(2度) |
| 35.0以上40.0未満 | 肥満(3度) |
| 40.0以上 | 肥満(4度) |
BMI早見表

ご自身のBMIはいかがでしたか?
太りすぎはもちろんですが、痩せすぎも危険です。特に女性や高齢の方は、痩せすぎると骨粗鬆症や貧血、免疫力も下がり病気にもなりやすくなります。
男女とも標準とされるBMIは22.0です。
これは統計上、肥満との関連が強い糖尿病、高血圧、脂質異常症に最もかかりにくい数値とされています。
また、食事摂取基準(2025年)では、目標とするBMIの範囲を年齢ごとに定めています。
| 年齢(歳) | 目標とするBMI(kg/㎡) |
|---|---|
| 18~49 | 18.5~24.9 |
| 50~64 | 20.0~24.9 |
| 65~74 | 21.5~24.9 |
| 75以上 | 21.5~24.9 |
全ての年齢でBMIの上限は同じですが、下限は年齢ごとで異なります。
特に高齢者では、フレイル※1予防と生活習慣病の予防の両方を配慮し、BMI21.5以上が目標となっています。
※1 健康な状態から介護が必要な状態へと変化する途中の段階のこと
自分の体重の3%減らしてみましょう!
2008年から開始された特定健診・特定保健指導のデータの結果、体重の1~3%減量でLDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪、HbA1c,肝機能は改善し,3~5%の減量で血圧,尿酸,空腹時血糖が改善したという結果になります。

この結果からも体重の3%減らすだけでも、検査値の改善が期待できることがわかると思います。
BMIが25以上だった方はまずは3%の減量を目指しましょう!
ご自身の体重の3%は?

体重3%は2㎏ほどです。
体重65㎏の3%は1.95㎏、75㎏は2.25㎏、85㎏は2.55㎏です。
- 【例】
身長160㎝、体重70㎏のAさん
AさんのBMIは27.3です。
AさんがBMI25未満の体重になるには、7㎏の減量が必要になります。
しかし、3%の減量なら、2.1㎏の減量でOKです。

1日に減らすカロリーは?
食事でカロリーを摂取するのはあっという間ですが、体重を1㎏減らすには約7,000kcalの消費が必要です。
無理のない減量のペースは、3か月で体重の3%の減量です。
先ほどのAさんを例で考えると、3か月で2㎏減らすには、1日あたりに減らすカロリーは約156kcalになります。
計算式
- 【Aさんの例】
2㎏×7,000kcal=14,000kcal
14,000kcal÷90日=156kcal
次回はどのようにカロリーを減らしていけばいいかについてお伝えします。





