コラム

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2022.03.23

2.減量

脂肪肝の改善を行いましょう

金藤 昌子

監修:金藤 昌子

アムスニューオータニクリニック医師

平成3年3月 滋賀医科大学卒業
専門:内分泌・代謝内科
保有資格:日本内科学会認定医/日本内科学会総合内科専門医/日本医師会認定産業医

Contents目次

「成人の3人に1人」が脂肪肝!?

近年、「脂肪肝」の患者数は急増しております。「脂肪」という言葉がついているので、肥満の方が罹るようなイメージですが、スリムな体型の人でも罹るもので、「成人の3人に1人」の割合に達していると言われます。

脂肪肝とは

脂肪肝とは、肝臓の中に脂肪(中性脂肪)が異常に蓄積された状態です。皮下脂肪と内臓脂肪以外のところにつく脂肪を異所性脂肪と呼びますが、脂肪肝も異所性脂肪の一種です。

肝硬変・肝臓がん・心筋梗塞・脳梗塞のリスクを高める

脂肪肝の種類の中では、アルコール性脂肪肝がよく知られています。放置すると肝細胞の炎症が進み、肝硬変、そして肝臓がんを発症する事もあります。

これまでアルコールを飲まない人は、脂肪肝になっても進行しないと言われていましたが、非アルコール性脂肪肝の一部にも、放置すると肝炎や肝硬変、肝臓がんへ進行するタイプがある事が分かってきました。これは「非アルコール性脂肪肝炎(NASH:ナッシュ)」と呼ばれています。

他にも脂肪肝の方は、動脈硬化の原因となるメタボリックシンドロームや生活習慣病を合併している事が多く、放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす恐れもあります。

脂肪肝の原因と症状

脂肪肝の原因は、肥満や過食・アルコールの摂りすぎが大半を占めます。他にも、糖尿病、低栄養(たんぱく質不足など)、ステロイド剤の服用なども原因になります。

脂肪肝の自覚症状はほとんどなく、健診の血液検査、腹部超音波検査で発見される事が多いです。症状がないため、長い間放置状態が続いている恐れもあり、発見時には脂肪肝がかなり進んでいる場合も少なくありません。

原因の例

・肥満や過食

・アルコールの摂りすぎ

・糖尿病

・低栄養(たんぱく質不足など)

・ステロイド剤の服用

脂肪肝改善のカギ(肝臓に溜まった中性脂肪を減らす方法)

感脂肪改善のカギ

1.体重を減らす

肥満の方は、体重の5%を減らせば、脂肪肝の約30%は改善できるとも言われています。例えば、体重 70kg の方であれば、当面の目標を3.5kg(70kg×5%=3.5kg)の減量とすると良いでしょう。

2.生活習慣の改善

肝臓に溜まった中性脂肪を減らすには、生活習慣の改善が最も有効です。

ここで行う項目としては、「食べすぎ・アルコールの飲みすぎを改善」「定期的に軽めの運動を行う」の2つです。この2つを実行することで、体重を減らすことにも繋がります。

定期的な軽めの運動として、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動を行うことが脂肪を燃焼するのに有効です。

また、燃焼効果をより上げるためには、有酸素運動に適度な筋トレを加える事がより効果的です。もし、体重が減少しなくても運動を継続することにより脂肪肝の改善効果が期待できます

できることから少しずつ行うことで、肝臓に溜まった中性脂肪を減らすことができます。

食事に関するアドバイス

糖質

糖質の摂りすぎに注意

脂肪肝改善のために最も気を付けなければいけないのは糖質の摂り過ぎです。糖質を必要以上に摂ると、エネルギーとして使われなかったブドウ糖が余ってしまい、中性脂肪に変換され体内に溜め込んでしまうからです。

平均的な日本人の糖質摂取量は1日に食べる総エネルギーの約60%ですが、これを総エネルギーの約50%に減らすことで、無理なく糖質の摂取量を減らすことができます。

体型によって摂取量の目標は異なりますが、大まかにはご飯やパンなどの主食を1割減らすことを当面の目標とすると良いでしょう。

果糖の摂りすぎにも注意

もう一つ気をつけるべきものは、果糖です。果糖の摂り過ぎは肥満と関連する事が知られています。

果糖はエネルギーとしてすぐには使われず、肝臓での中性脂肪の合成と蓄積を促進します。そのため、肥満を伴わずに脂肪肝を引き起こす原因となります。

摂り過ぎを抑えるためには、砂糖の摂取量に気をつけると良いでしょう。というのも、砂糖はブドウ糖と果糖が結合した形になっているためです。

飲み物は、清涼飲料水ではなく、水やお茶を選択し、間食は、お菓子よりも、適量の果物を選択することをお勧めします。

なお、果物にも果糖が含まれていますが、ビタミンや抗酸化成分など健康維持に役立つ成分が豊富に含まれているので、適量を心がければ問題ありません。

食事の選び方のポイント

主食 ご飯・パン・麺類の量を減らす
精製度の低い穀物(玄米・全粒粉パンなど)を選択する
主菜 脂肪の多い肉より、青魚や大豆製品を積極的に摂る
副菜 1日350gを目標に野菜料理を1日5皿摂る
1日1回海藻・きのこを摂る
飲み物 清涼飲料水(甘い飲み物)を避け、水やお茶をこまめに飲む
間食 菓子類よりも適量の果物で(1日200gまで)

食べ方のポイント

よく噛む 20分以上かけて食べると適正な満腹感が得られる
規則正しく 朝昼晩の3食を規則正しく摂る
食べる順序 野菜・海藻・きのこから食べ始め、最後に炭水化物を摂ることで、血糖値の急上昇を防ぐ。

まとめ

脂肪肝は自覚症状がほとんどないため、定期的に人間ドック等で血液検査や腹部超音波検査などを受けることをお勧めします。

肥満の方やアルコール摂取量の多い人でなくても、脂肪肝になっている方もいます。特に、スリムでアルコール摂取を行わない方でもその可能性はあります。「自分は大丈夫」と思い込まずに、定期的な検査を受けるようにしましょう。

また、脂肪肝を指摘されたら、放置せず早めに生活習慣を見直し、脂肪肝を解消しましょう。