コラム

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2022.04.27

1.食事

「脂質」が多いメニュー ~気付かないうちに摂っている”あぶら”~

Contents目次

監修・執筆

監修:医師 金藤 昌子(アムスニューオータニクリニック勤務医)
執筆:管理栄養士 梅元 高子(アムスニューオータニクリニック健康増進科)

脂質の摂取量は年々増加しています

摂取エネルギー量は減少傾向にも関わらず、脂質エネルギーの割合が30%を超えて摂り過ぎている人が増加しています。成人の場合、脂質エネルギーの割合は、1日に必要なエネルギーの20~30%が基準です。(1日2,000kcal必要な人では脂質はおよそ55gになります。)

国民健康・栄養調査報告によると20歳以上で脂質のエネルギー比率が30%を超えて摂り過ぎている人は、男性で約2割、女性で約3割もみられます。これらの人では適正なバランスになるよう摂り過ぎない注意が必要です。

脂質の過剰摂取は、肥満・脂質代謝異常・動脈硬化・糖尿病予備軍など様々な生活習慣病の要因になります。

気付かないうちに摂っている”あぶら”

油
脂質の過剰摂取を抑えるには、どれだけ自分が脂質を摂取しているかを把握することが大切です。

現代の食生活だと、気づかないうちに”あぶら”、つまり脂質をたくさん摂取しています。以下の点に注目することで、自分自身がどれぐらい摂取しているかを見直すことが可能です。

1.食品100g中の脂の量

ヒレステーキ(17.8g) < ハンバーグ(28.2g)

ひき肉は脂質が多く含まれます。また、肉の部位により脂質量が違います。ヒレ肉は少なめです。

2.揚げ物の油の量

から揚げ < 天ぷら < フライ

揚げ物は衣が厚ければ厚いほど多くの油を吸っています。大きく切られた素材で衣が薄いほど油の吸収量が少なくなります。

3.意外に油を多く使っているメニュー

カレーやチャーハン、焼きそばなどは、調理のときに油を多く使うメニューです。揚げ物同様脂質の摂取量が多くなり、エネルギーの摂り過ぎになります。

アムスからのアドバイス

アムスからのアドバイス
脂質の理想的な摂取量は、総エネルギーの20~25%、成人では、1日40~60g程度が目安です。 これは、植物油やバターなど調理に使う油脂と、食品そのものに含まれている脂質を合わせた量です。そのため、1日の油の使用量は大さじ1~2(植物油で12~24g)程度にする必要があります。

特に、食品中の「見えない脂質」は意識されにくく、知らずに過剰摂取になりやすいので注意しましょう。

”あぶら”の摂り過ぎを防ぐポイントは以下の3点に注目することで、摂取量を減らし、生活習慣病を防ぐことが可能です。

・洋食や中華より和食中心に
・肉料理より魚料理を多く
・調理法のチェック

調理法のチェックについて

調理法は、「茹でる < 網焼き < 蒸す < 生 < 煮る < 炒める < 揚げる」の順でエネルギーが多くなります。食事を作る際には、この調理法も意識すると良いでしょう。なお、炒める場合、油を引かなくて良いフライパンを用いるなどすると、油の摂取量を抑えることができます。

油脂には、動物性のものと植物性のものがあります。エネルギー量は同じですが、動物性のもの(バター、ラードなど)には、飽和脂肪酸が多く含まれます。飽和脂肪酸は摂りすぎると動脈硬化を進行させます。

調理の時には、不飽和脂肪酸を多く含む植物油(オリーブ油・キャノーラ油・大豆油など)を使用すると良いでしょう。

肉についても部位ごとに、「ヒレ < もも < ロース < ばら」の順で脂質量が多くなります。脂質量が多い部位を用いる場合はできるだけあぶら身を調理するときに除くか、食べ残すようにしましょう。

外食は注意が必要

外食では、調理時に多くの油を使用する傾向にあります。また、高カロリー・高脂肪のメニューが多いので1日1食程度に抑えましょう。

まとめ

脂質の摂取量は、毎日の食事の際に少しずつ意識することで、抑えることが可能です。食事を作る際の調理法や、外食時に選ぶメニューなど、できるだけ脂質の少ない物を選ぶことがポイントです。