コラム

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2025.06.30

1.食事

何をどれだけ食べればいいの?バランスのよい食事のとり方

Contents目次

監修・執筆

監修:医師 吉野 初音(アムス丸の内パレスビルクリニック勤務医)
執筆:管理栄養士 金 愛梨(アムス丸の内パレスビルクリニック健康増進科)

大切なのは栄養バランス

前回のコラムでは、1日の適切なエネルギー摂取量についてお伝えしました。
ご自身に合ったカロリーの食事を続けることができれば、健康的な体になります。
かといって、カロリーのすべてをご飯(炭水化物)で摂ればいいわけではありません。
これはあくまでも、熱量=カロリーだけの数字です。
それを気にして食べる量を決めていくと、それなりに食べているはずなのに栄養不足で不健康な状態になってしまいます。
健康でいられるために大切なのはカロリーではなく、必要な栄養をバランスよく食べていることです。
今回は、何をどれだけ食べればいいのか、バランスよく食べる方法についてお伝えします。

食事バランスガイドを活用しましょう

食事バランスガイドは、厚生労働省と農林水産省によって、健康で豊かな食生活の実現を目的に策定されました。
コマはバランスが崩れると回転できなくなりますが、人間も栄養バランスが悪くなって倒れないようにという願いがイラストに込められています

出典:農林水産省 「食事バランスガイド」について

※この食事バランスガイドは、健康な方々の健康づくりを目的に作られたものです。
糖尿病、高血圧などで医師または管理栄養士から食事指導を受けている方は、その指導に従いましょう。

コマの中央には、主食・副菜・主菜・牛乳・乳製品・果物の5つの料理グループが示されています。
上から摂取量の多い順で並び、主食・主菜・副菜の順ではないので注意しましょう。

また、欠かすことのできない水・お茶、菓子・嗜好飲料、運動についてもイラストで表現しています。
油脂・調味料については、基本的に料理の中に使用されているものであることから、イラストとして表現していません。
料理を選ぶ際に、エネルギー、脂質、塩分の表示を併せてチェックすることが大切です。

あなたの1日に必要な食事量は?

それぞれのグループをどれだけ食べたらよいのかという量は、1つ、2つ…と「つ」(SV=サービング)で数えます。

「1つ~4つ」の基準となる主な料理

出典:農林水産省 「食事バランスガイド」について

下記の表は、5つの料理グループごとの、1日にとる目安の量が示されています。
前回のコラムでご自身の1日のエネルギー量を計算された方は、1400~2000kcalに当てはまる方が多いと思います。
1400~1600kcalの方は、少ない方の数を選びましょう。
例えば、主食が4~5なら4つ、副菜は5~6なら5つ、主菜が3~4なら3つが目安です。


5つの料理グループの中の何かが欠けたり、また1つのグループだけを極端に多く摂りすぎると、コマは倒れてしまいます。
バランスのとれたコマの形にするためにも、5つある料理グループそれぞれを、まんべんなく食べる必要があります。

例えば身長170 cmの事務職(会社勤務でデスクワーク中心)の男性の場合、1日の摂取エネルギー量は1717kcalとなります。
参考までに、コンビニの食品を活用した献立例をご紹介します。

コンビニ食での献立例(1727kcal)





【朝食】441kcal
・サンドイッチ(287kcal)
・野菜ジュース(61kcal)
・バナナ(93kcal)

【昼食】666kcal
・ミートソースパスタ(562kcal)
・サラダ(12kcal)
・ヨーグルト(92kcal)

【夕食】527kcal
・ごはん小盛り150g(234kcal)
・鮭の塩焼き(144kcal)
・ひじきの煮物(60kcal)
・具だくさん味噌汁(89kcal)

【間食】93kcal
・りんご(42kcal)
・6Pチーズ(51kcal)

<合計>1727kcal

主食5つ、副菜5つ、主菜4つ、果物2つ、乳製品2つで1727kcalとなります。
献立例はすべてコンビニで購入できるものです。
朝・昼・夕・間食の中で、コンビニを利用するときの参考にしてください。
自炊の時間がとれない方や、料理に苦手意識のある方にもおすすめです。
毎食バランスのよい食事を摂るのが理想ですが、忙しい現代人にとってはなかなか難しいものです。
それでも、「主食・副菜・主菜を組み合わせた食事を1日2回以上とる」のがおすすめです。

お菓子・お酒などの嗜好品については、過去のコラムで解説しています。
楽しく適度にとるようにしましょう。

過去のコラム:太りにくい間食のとり方
過去のコラム:あと一杯、あと一杯が肥満への第一歩

まとめ

「あまり食べていないのに体重が減らない」との言葉をよく聞きます。
これは、体に必要な栄養のバランスがとれていないためです。
糖質制限ダイエットが広まり、ごはんやパンなどの主食を減らして、お肉やお魚などの主菜を多くとる人がいます。
お肉や魚などの主菜、いわゆるたんぱく質をとりすぎると、肝臓や腎臓に負担がかかり、機能低下を招きます。
食事バランスガイドを参考に、「とりすぎているものを減らす」「足りないものを増やす」という風にしていくと、食事のバランスが整いやすくなります。

バランスのとれた食事は、「生活習慣病の予防」にも繋がります。
ご自身の食生活を振り返り、1日の摂取エネルギー量を守りながら、バランスのよい食事を心がけましょう。