挫折しない習慣の作り方

監修・執筆
監修: 医師 金藤 昌子(アムスニューオータニクリニック勤務医)
執筆:管理栄養士 石川 奈穂子(アムスニューオータニクリニック健康増進科)
なぜ『ハードルを極限まで下げること』が大事なのか
前回は「いつ、何をやるか」を決めるif-thenプランニングをお伝えしました。スッと体が動くような感覚を、一度でも味わえましたでしょうか。
きっかけを固定できたら、次なるステップは『100%達成できる分量』に見直すことです。実は、習慣を挫折させてしまう要因の一つに行動のボリューム設定のミスがあります。
今回は、行動のボリュームを最適化することについて一緒に考えていきましょう。
私たちの脳には、現状を維持しようとする機能があります。大きな変化(例:毎日1時間のジョギング)を急に始めようとすると、脳が『いつもと違う』と警戒し、行動を止めようとしてしまうのです。
一方で、脳は『ごくわずかな変化』であれば、変化として認識しません。「スクワット5回」程度の簡単な行動なら、身構えることなく、自然に体が動きます。
人間はやる気が出なくても、一度やり始めると脳が活性化して、ついでに2回、3回と体が動いてしまう現象が起こります。これを「作業興奮」といいます。小さな一歩は、この「やる気スイッチ」を入れるための、いわば着火剤の役割を果たしてくれます。
100%達成できる目標を考えてみよう

ポイントは、時間がなくても、やる気がゼロの日でも「これならできる」と思えるレベルまで、目標を小さく小さく分解することです。
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運動を増やすために…
・スクワット5回から始めてみる
・1階分だけ階段を使う
・いつもより大股で歩く -
身体の柔軟性を高めるために…
・肩回しだけする
・10秒だけストレッチをする -
食べ過ぎをやめるために…
・小さめのお皿を選ぶ
・一口食べる度にお箸を置く
「そんな小さなことで意味があるの?」と思うかもしれません。しかし、習慣化には内容の大きさよりも「決めたことを今日も実行できた」という成功体験が大事なのです。この「毎日決めたことを守れている」という小さな成功体験(自己効力感)の積み重ねが、やがて大きな変化を支える土台となります。
『当たり前』になってきたら行動のボリュームを上げていこう

それぞれの目標が、歯磨きをするのと同じくらい自然と、考えなくてもできるようになったら、それは脳がエネルギーを使わずに行動できている状態です。
無理なく体が動くようになってきたと感じたら、そこで初めて少しずつ行動のボリュームを上げていきましょう。
ここで大切なのは、「一気に増やしすぎないこと」です。 5回だったスクワットを10回にしてみる。そんなふうに、ほんの少しだけ「おまけ」を付けるような感覚で、ボリュームを上乗せしていきます。
もし、ボリュームを増やしたことで「あ、今日は少し面倒だな」と感じたら、いつでも元の目標に戻って構いません。自分のペースで進めていきましょう。
「物足りないな」と感じる余裕を大切にしながら、ゆっくりと確実にあなたの「当たり前」の範囲を、少しずつ広げていってあげてくださいね。
さて、これまで2回にわたって「習慣化」についてお届けしてきたコラムですが、次回(第3回)がいよいよ最後となります。 ラストとなる次回は、いくつかのトピックをご紹介する予定です。 次回もぜひご覧ください!





